快感回路
デイヴィッド・J・リンデン著。河出文庫より。
レビューです、、、
色々お勉強回りが立て込んでいて、あしかけ二か月以上かかりました。
文頭にも、書いてありました。中身を理解してもらうためにも、やや専門的な語は外せないよ、と。
脳内の快感物質、なんとか受容体、なんとか、かんとか。
VTAニューロン、グルタミン酸シナプス、GABAシナプス、D2受容体、レプチン受容体、CRH受容体ブロッカー、背側線条体、側坐核、エンドカンナビノイド、オピオイド、、、
よし、読もうと思い頁を開き、わずか数秒で寝落ちした日々が続き、この本の後に、あれ読もうこれ読もうと、また待機組ができてしまっていました。
そしてラストスパートがまた、かからない。こんなに徒らに時間をかけて読んだのに、何コレ?なオチだったらどうしよう?遅々として進まなかった。防衛機制。
読んだ端から片っ端から、内容を忘れてしまったので、巻末の原注を見返しながら、新鮮な気持ちで、『超おもしろいやん』と呟いてみる。
今よりもう少し脳のお勉強を積んだ未来の私に、ぜひオススメしたいし、著者の次の作品もポチったので、後味は良かったんだろうと思う。
内容的にはキーワードだけ、目につくもの抜粋。
ストレス、肥満、薬物依存
女性の脳と身体反応のズレ
不確実性な快感
身体的な痛みと感情的な痛み
隣人との比較が快感回路に影響
情報そのものが快感を導く
遺伝子スクリーニングで依存性リスクを予測
ちょっとこちらに書けないような内容も割と混ざり込んでたりして。
本が書かれたときから10年は経過しており、今や、ある人は、脳についてほぼ100%解明されたなんて表現を聞いたりするけど、どんな角度で、どんな文脈で、100%ってパワーワードが使われたのかは、又聞きの又聞きのため謎、、、
そんなら、病気や脳の障害の治療法もっと確立できてるでしょ、、、
とりあえず著者の描く未来像が、私が描く未来像に最後なんとなく概ねシンクロしたので、よい幕を閉じられました。
とある装置を頭につけたら、チャンネルやつまみ操作で、電気が流れて、脳のシナプス発火を再現して、自分の望む快感がいつでも得られるし、これまでのように、酒、ギャンブル、薬物依存に置き換わるし、依存症状もでない。
色んな依存性のメカニズムもすっかり解明されて、手放したい癖なんかオサラバ。
ただ、労なく得られる快感に、ヒトが満足できるかが、問題だ、、、