『脳の強化書』を読んで
(加藤俊徳、あさ出版、2014)

脳のネットワーク、また、ネットワーク同士のつながりの活性化についての提案という感じで、各テーマごとにコンパクトで、読みやすいので、脳の強化書というか、トリセツ的な感じで、読み易くオススメです。

脳の育て方、リフレッシュ、機能維持、機能強化にとても分かりやすくあらゆる年齢層の方にマッチすると思います。

本の内容紹介、ごく一部ですが、自分に特によく響いた部分とその感想です。ご興味ある方は手に取ってお買い求めください。

100年ほど前のドイツの解剖学者による脳の120の区割りを『ブロードマンの脳地図』といいますが、これを8つの機能別ネットワークに分けたものにそれぞれ、『○○系脳番地』と名付けて紹介され、どのようなトレーニング法があるか、まとめられています。

【①思考系脳番地】
⭐️1日の目標を20字以内でつくる
→短い文の中に優先順位の高いワードを選ぶことに意味がある。既にこの文で、8文字オーバー!コンパクトな言葉選びのトレーニングになる。

⭐️人のいいところを3つあげる
→昔、自分の頭の中で、好きな人の良いところをあげたら、まあ、キリがなく、自分の知る限りの悪い部分と相殺してもよい部分が殆どでした。それと同じことが、嫌いな人に対して起っているのかもしれない。いいところ、20個位あげられるだろうか。関係が拗れる前には、それなりに蜜月のような時期があった。どうでもいい相手には、無関心でいられるはずだし、、、
また、自分自身の長所短所を挙げ連ねる作業はというと、人のことはサクサクできるのに、いざ自分となると、結構苦痛を伴う。
果たして三日で人は変われるのか、、、

⭐️自分の意見に対する反論を考えてみる
『あらゆる仕事において、「自分はこう思う」という確固たる意見をもっていたとしても、正反対の意見を同時に検討するのは大事なことです。正反対の意見によって自分の意見を別の角度から見ることになりますから、結果として説得力が生まれるのです』
→ここが強すぎて、なかなかシンプルな結論に瞬時にたどり着かない思考の癖に苦しんできましたが、自分自身頑なさやめんどくさい性格なんだろうなとの思いはありますが、それを踏まえてバランスをコントロールしながら活かせるようにもっていきたい。

⭐️その他にも、休日の予定は他人に決めてもらえとか、必ず10分間昼寝しろなど、なかなか目からウロコな話が満載。

【②感情系脳番地】
⭐️出かける前に『何があっても怒らない』と唱える
→怒る原因の一つに『疲れている』『肩が凝っている』『足腰が痛いのを我慢している』など、体調不良が隠れた要因になっていることが多いようです。
慢性疲労、睡眠不足、極度の緊張下では、高ストレスに長時間晒されることにより、正常な判断能力を失ったり、自律神経のバランスを崩しかねない。戦争でいつどこに敵兵が潜んでるか分からない、一触即発な状況や実際にミサイル飛んできたりドンパチ弾が飛んでくる中で、平常心を保つには、相当安定したメンタルが必要。
怒りは、吐き出した本人は一時的にスッキリするかもしれませんが、周りに怒りの波が伝わり、共鳴して増幅したり、反射したり、吸収したりを繰り返し、形を変化させながら、また本人にブーメランの様に増幅したエネルギーで戻ってくる。怒りから学ぼう、、、

⭐️楽しかったことベスト10を決める
→生きることは苦労がベースにある、むしろ、この世には苦労を経験するために生を受けたとする考え方もある。仏教の教えだったか忘れたけど。合間合間に、楽しさや幸せがあるから、それらが生きてくる。今ここに意識を集中させるために、『マイナスの感情は心の奥に沈め、即座に気持ちを切り替えることが大事』として、筆者は気持ちを切り替える手法として『過去の楽しかったことを思い出す』を挙げている。『過去の記憶を利用して現在の感情を意識的にコントロール』するトレーニングの有用性と、その際、何が、何故楽しかったかを併せて思い出すことで、感情の記憶がさらに強化するとしている。言われて嬉しかったこと、何度も思い出してるうちに、なんだか美化されまくって、今ここには存在しないのに、過去の出来事に囚われまくる自分が格好悪いなと長く思っていましたが、その時々で、気分をアゲル為に使えるものはなんでも総動員して記憶という資源を活用するのも、アリだなあと、あちこちで似た話を聞く機会が重なるにつれ、定着してくる。

⭐️大好きなものを10日間断つ
⭐️「ほめノート」をつくる
⭐️まわりの人にその日の印象を伝えるほか

【③伝達系脳番地】
⭐️創作料理を作る
⭐️団体競技のスポーツに参加
⭐️相手の話に3秒間の「間」を空けて応じる
⭐️選択肢を3つ考えながら話をする
⭐️その他にも、ぶっつけ本番のコミュニケーションを仕掛けるなどが、伝達系を鍛えるなど。雑談力については最近、その必要性をひしひしと感じてはいましたが、、、著者である先生は国際学会の英語のスピーチでぶっつけ本番の伝達力をトレーニングされたとあり、凄いなあ、、、と。
お話したい内容を伝える即ちコミュニケーション能力を磨いたり、表現する、相互のやりとりの自然な間をとるトレーニングが有用だな、と。指を折って数えたり、一定のリズムやことばのキャッチボールのタイミングなとが、大切かと。

【④理解系脳番地】
⭐️部屋の整理整頓、模様替え、お出掛け前の鞄の整理
⭐️本屋や図書館で、普段読まない本のタイトルを黙読
⭐️電車内で見かけた人の心理状態を推測
⭐️地域ボランティアに参加
⭐️尊敬する人の発言、行動を真似るなど
→以外に片付けが強調されていて、、、
後は新奇性かしら。

【⑤運動系脳番地】
⭐️歌を歌いながら料理
⭐️名画を模写
⭐️鉛筆を使って日記を書く
⭐️頭が働かなくなったらひたすら歩くなど
→以外に書く、描くが多いこと
『脳番地』という表現が用いられてますが、それぞれの脳番地を休ませるには違う脳番地の活動にシフトすること、特に何かから、運動系には入りやすいそうです。昼休みにバレーボールしたり、、、
また、ある動きをしながら別の動きをする。脳の機能の脳番地同士の連携も非常に大切、、、

【⑥聴覚系脳番地】
⭐️ラジオを聞きながら寝る
⭐️会議中の発言を速記
⭐️ニュースを見ながらアナウンサーの言葉を繰り返す
⭐️相槌のバリエーションを増やすなど
→聴覚系が、発達している職業には、音楽家、テレフォンオペレーター、塾講師、落語家などが挙げられている。塾講師も、話すだけでなく、自分の言葉を耳で聞いたり、生徒の動向に注意を向けるというのが、ミソなのでしょうか、、、
テレフォンオペレーターは、人名、地名など初めて聞く単語や、年齢、性別、声質、方言など、毎回異なる音刺激、とても、ノーミスで聴き取りは難しい。
聴覚系からの入力って、理解のための記憶も必要だし、話し言葉の理解など、とても精緻なメカニズムです。

【⑦視覚系脳番地】
⭐️雑踏の中を歩く時、空きスペースを見つけながら進む
⭐️電車の中から外の看板を見ながら数字の「5」を探す
⭐️自分の顔をデッサンする
⭐️鏡を見ながら毎日10種類以上の表情を作ってみる
⭐️映画やドラマのキャラを真似てみる
⭐️街ですれ違う人の背景を推測してみるなど
→洞察力を鍛えるということ、見た目そのもの、意味合い、動きなど、見る時にも色々複合的に見るのが👀効果的、、、
また、町ですれ違った人のイメージを記憶して、有名人や知人、家族など似た人を思い浮かべることも、「見た情報を分析する」「誰かの顔を思い出して照合する」という2つの作業を同時に行う高度な情報処理だそうです。

【⑧記憶系脳番地】
『「記憶」には「知識の記憶」と「感情の記憶」があり、前者は思考系脳番地と、後者は感情系脳番地と密接に関係し、それぞれ記憶の経路が多少異なる』
⭐️1日20分の「暗記タイム」をつくる
⭐️前日に起きた出来事を3つ覚えておく
⭐️日曜日に翌週の予定をシミュレーションしてみる
⭐️ガイドブックをもたずに旅行に行くなど
→記憶には2種類あって、それぞれのというくだりが、思考のメカニズムに繋がり、或いは2つのシステムは経路が別とはいえ、相互に密接な関わり方があるのでしょうが、記憶にコンプレックスのある私は、まだまだとても興味があります。

🌖食べること
眠ること
お話ができること

他にも色々ありますが、上の3つが大切と思います。
2021/1/22