認知症(いろいろ)③
認知症は、病名ではなく、原因となる疾患が別にあり、それらの症状を指す総称で、医学用語で『症候群』という。
厚生労働省の2015年の試算では、2025年問題として、65歳以上の高齢者約5人に1人が認知症になる、といわれている。
以下色々なタイプの認知症をあげます。
先にゆっておきます。長いです。
その前に、大事なこと。
人は褒められると快感を覚え、脳内からドーパミンやエンドルフィンといった神経伝達物質を増やす。
アルツハイマー病は、神経細胞の数が減ることで、記憶が保持できなくなるので、これが増えるともの忘れの進行をゆるめることができる。
逆に怒ったり叱ったりすると、ストレス物質が出て、脳の神経細胞を殺して、症状は加速。
また、人でも花でも『ときめき』があると脳を活性化させる物質がたくさん出る。
さらに、指を使うこと、噛むこと、話すこと、歩くことが加われば、脳を総合的に活性化することに繋がる。
認知症には、次のようなものがあります。
【①脳血管性認知症】
⭐️原因
脳卒中、脳梗塞、高血圧など脳の血管の障害で、脳の一部に酸素や栄養が届かず、二次的に神経細胞が障害されて起こる。
⭐️主症状
記憶障害、認知障害、失禁、問題解決能力低下、注意力・意欲低下、適応力障害、感情失禁など。
損傷を受けていない部位は正常なため『まだら認知症』とも呼ばれる。
⭐️行動特性
構語障害、嚥下障害、片麻痺、尿失禁、すくみ足や小刻み歩行などの歩行障害、深部腱反射亢進や病的反射など。
【②アルツハイマー型認知症】
脳の細胞が変性したり、消失した結果、脳全般の細胞が萎縮し、認知症の症状が出る。
老化が進み、神経細胞の働きが弱くなると、ホモシステイン酸が細胞内に有害物質を蓄積させ、別の原因物質と組み合わさって細胞死する。
若い世代は有害物質が蓄積されないので、神経細胞死までは起きない。
⭐️喪失体験やPTSDなどの強いストレスが持続的に続くとホモシステイン酸が増えるとされ、アルツハイマー病の危険因子とされる。
初期症状として、アミロイド(異常タンパク質)が脳に沈着、頭頂葉などが萎縮し、記憶障害が始まる。
新しい記憶が入りにくいのは短期記憶を司る海馬にアミロイドβが蓄積されるため。
海馬の機能低下は、昔の記憶(住所、氏名など)が入っている大脳皮質の機能にも影響する。
脳の前頭部は人格を作ったり、感情をコントロールしたり社会性を作る部位。非常に怒りっぽくなったり、理由なく隣の人を殴ったり、夜徘徊する症状が出る場合がある。
⭐️脳の病変から、もの忘れの症状が出始めるまで、約20年の無症候期間がある。
⭐️原因
遺伝子異常、染色体異常、外傷、加齢、性格、環境など
⭐️主症状
記憶障害、見当識(時間、場所)障害、実行機能低下、注意力低下、失語など
⭐️日常生活の中での具体例
①最近の出来事が思い出せない
②同じ質問を何度もする
③物を置き忘れる
④間違った言葉を使う
⑤家事などの方法がわからない(手順を思い出せない)
【③前頭側頭型認知症(ピック病)】
⭐️原因
不明
⭐️主症状
人格の変化と情動の変化
大脳萎縮性疾患で40〜50代の若年性認知症。
意欲低下があり、うつ病と間違われやすいが、悩みや不安がないことが異なる。
乱暴・盗み・万引き(軽犯罪)などの性格の偏りと行動異常(同じ行為を決まった場所で繰り返す、同じ物ばかり食べたがる)など。
早期は記憶力は保たれ、見当識障害は少ない。行動の異常、失語がみられるなどの行動特性。
その場と関係ないフレーズがいつも繰り返し出てくる帯続言語がある。
⭐️派手になり、やたらと買い物する
⭐️人格が極端に変わる
⭐️騒がしく騒々しくなる
⭐️ゴミなど不潔な環境の中でも平気
⭐️何もしないでじっとする
⭐️店で売り物をとって食べて平然とする
【④レビー小体型認知症】
レビー小体は、もともと運動障害を主症状とするパーキンソン病の人の脳の中にたまった物質を指す言葉。
アルツハイマー型についで多い。
特徴的な幻視、寝ぼけ症状が認められる。
パーキンソン病に似た症状で、無動・固縮・姿勢保持障害、歩行障害・自律神経障害もみられる。
認知症を主症状とし、頭頂葉・側頭葉、後頭葉の血流低下がみられるが、本態は不明。
視覚的に物事を捉えることが難しくなり、アルツハイマー型認知症と違い、図形描写が早期に障害される。
⭐️幻視
壁に虫が這う
子どもが枕元に座っている
ふとんが人の姿にみえる
⭐️男性に多い
⭐️気分や態度の変動が大きく、一見まったく穏やかな状態から無気力状態、興奮、錯乱といった症状を一日のなかでくりかえしたり、日中に惰眠をむさぼったりする。
【⑤クロイツフェルト・ヤコブ病】
人にも感染する人畜共通感染症。
牛海面状脳症といい、牛の脳の中に空洞ができ、スポンジ🧽状になる病気。
ウィルスなどによる病気ではなく、プリオンと呼ばれるタンパク質のみで構成された物質が原因とされる見解が主流。
【⑥コルサロフ症候群】
脳の機能障害により発生する健忘症状。
主な原因は、アルコール依存症に由来する栄養失調や、外傷や脳卒中など、その他の器質的原因によって起こる場合もある。
ビタミンB1欠乏の急性症状であるウェルニッケ脳症と合わせて、『ウェルニッケ・コルサロフ症候群』としてまとめられる場合がある。
ホルモン中枢の視床下部や記憶に関係する海馬に変化があるときに起こる。
⭐️記銘力の低下(2,3分前に話したことを忘れる)
⭐️見当識障害(自己の状況の認識ができない)
⭐️健忘(ある期間の記憶が抜け落ちる)
⭐️作話症(記銘力の低下を補おうとして生じる)
⭐️手足のしびれ
⭐️起立性のめまい
⭐️不安定で強調性のない歩き方
被暗示性が強く、過去の記憶と妄想の区別がつかなくなる、記憶喪失などの記憶障害を主とした症状がある。
【⑦ビンスワンガー病】
脳動脈硬化症による血流障害のため、精神症状がみられる。
脳血管性認知症の一型で、高血圧と動脈硬化を背景とする進行性の認知症。
大脳の白質の広範な脱髄で、いわば漏電するため電気がつかない(神経の伝達ができない)状態になる。
記銘力障害、意欲低下、自発性欠如、幻覚や妄想を伴う、うつ状態、小刻み歩行、激しい興奮などの行動異常を示す。
神経症状は、片麻痺、仮性球麻痺、尿失禁など。
【⑧ラクナ梗塞】
脳の深部に向かう細い動脈(穿通枝動脈)が閉塞して生じた小さな脳梗塞。
⭐️危険因子をなくし、前ぶれ段階で防ぐこと
⭐️毛細血管を広げ、血行を促進する
⭐️夏場は水分補給を
⭐️女性ホルモンの減少により、脳梗塞や認知症症状を引き起こす
⭐️更年期から脳梗塞が増える
【⑨若年性認知症】
18〜65未満で認知症の症状がある場合の総称。
18〜29歳は、若年期認知症
40〜64歳は、初老期認知症
65歳以上は、老年期認知症と呼ぶこともある。
もの忘れが出始め、仕事や生活に支障をきたすようになっても、まだ若いという思いで、気付かない、病院受診しても、うつ病や更年期障害などと間違われる場合がある。
厚生労働省2009年発表によると、男性のほうが、女性より多く、発病年齢は平均51歳。
⭐️進行が早いので、早期発見、早期治療‼️
終わりました。
やっと次に進める、、、、、🥺