いまここnote

「人間とは何か」はすべて脳が教えてくれる（カーヤ・ノーデンゲン、誠文堂新光社）より第三弾

今回も会話調。

A：ストレス反応ってどういうものなの。なんで人はストレスを感じるんだろう。

B：危険が迫っているとこを察知した瞬間、脳は、脊髄の神経信号を副腎に送りアドレナリンを分泌するんだ。

このホルモンが体内に分泌されると、心拍数と血圧が上昇するよ。さらに、呼吸が早くなって血中の酸素量を増やし、高エネルギーの血液を筋肉と脳に送るんだ。

また、行動に備えた肝臓が血糖値を上昇させることになる。このストレス反応がなければ、人類は他の動物にやられて生き残れなかっただろうね。

C：血沸き肉躍るってやつか…。

B：視床下部は、脳下垂体をコントロールするんだけれど、視床下部からの命令により、脳下垂体は副腎を刺激して、別のストレスホルモンであるコルチゾールを分泌するんだ。

コルチゾールはストレス反応に重要なもので、血糖値と血圧を維持して、人が危険から逃れるのを助けるんだ。

A：現代社会は、ストレス社会と言われているから、ずっと身体がそんな状態だと、そりゃ病気にもなるよね。

B：ストレスにも多くの種類があるよね。日常的なものだと、順番待ちの列が長いとか、家族が増えるというような人生の大イベント、自然災害。

A：転勤や引っ越し、なにがしかの環境が変わること。

悪いことはもちろんのこと、いいこともストレスの一因になるって話だよね。

それと学校や職場での人間関係、病気、ケガ、犯罪の被害に遭うとか。

C：あと、バレンタインやクリスマスもストレスやったわ。年賀状シーズンも。今もパソコンの立ち上がりの数十秒が待てなくてストレスなんだけど。プリンターも調子悪いし。

B：でも、化学の試験前のストレスとかは、有効なんだよ。集中力はアップするから、こまごまとした誘惑は脇へおいて、もう少し勉強を続けようという気になるよね。

短期的なストレス反応はよい影響を与えるんだ。

A：短期的なストレス反応はってことは、長期的な場合はどうなの。大体想像つくけど。

B：数週間から数年に及ぶとストレス反応は有害なんだよね。

高血圧に加えて、血中コレステロール値や血糖値が上昇すると、心臓発作や脳卒中のリスクが高まるよね。

ある研究によると、医学部生の試験前の血中コレステロール値は試験後よりも20％も高かったって話だよ。

会計に携わる人たちは、決算報告提出直前のストレスフルな数日間、血中コレステロール値が上昇して、血栓ができるリスクが高まるとか。

C：20％増しって言われても、ちょっと何言ってるか分かんないんですけど。健康診断じゃ、30代突入したくらいから、ずっと、コレステロール値や他の数値が高いんだけど、ストレスのせいだったのかなあ。

A：麺類と脂っこいもの食べすぎやからやろ。血液サラサラにしてからゆえ、そのセリフ。

B：それだけじゃないんだ。血中コレステロール値、血圧、血糖値だけじゃないんだ。

記憶にとって重要な海馬の神経細胞が、コルチゾールによって破壊されて、脳の老化を早めてしまうんだ。

その仕組みは、ストレスホルモンのコルチゾールが血液とともに脳に送り返されて、神経細胞の受容体に作用する。

すると、大量のカルシウムが神経細胞内で分泌されて、神経細胞は容易に信号を送れるようになるけど、活発になりすぎて死んでしまうんだ。

Ｃ：ストレスを完全に避けるのなんて絶対無理だよね。どこにいっても人間関係の不穏はあるだろうし。「私ストレスなんて無縁です」っていう人がいたら、爪の垢煎じて飲みたいわ。

A：望まない状況や予測不能な事態に放り込まれるリスクは常にあるよね。
ストレスへの対応やそれに耐えられる期間だって人によるだろうし。

B：人生をポジティブに捉える人は、しかめ面をした人よりも幸福で長生きするようだね。怒りとその対処法がストレスに直結しているようだから。

C：花緑兄さんも、笑いがどうとか、しきりにゆうてはるわ。ユーチューブの記憶と海馬の話かなり好き…。最近特に人の名前が…。

B：ストレスは意外と危険で、あの手この手で、我々の命を奪おうとしてくる。血圧を上げて、血糖値と血中コレステロール値を上昇させるだけでなく、免疫力も阻害するんだ。

A：意外でもなんでもないよね。容易に想像つくわ。免疫系やられたら、あかんやつやん。今一番、あかんやつやん。

B：ストレスを引きずらないこと。
リラックスすること。
その状況のポジティブな面を見つけること。
人生楽しむこと。

C：身体がストレス反応を感じた時に、そのこと事態をストレスとして感じるか、ポジティブに捉えるかで、身体への影響や心の在り方が全く変わってくるって、何かの本で読んだような気がするな。

「ワクワクしてきた！」って実際、何かいいこと起きるんじゃないかって脳に言い聞かせることは、とても有効って、色んな自己啓発本に書いてあるよね。

「ピンチはチャンス！」とかも。

あと、「大丈夫、大丈夫😌」って言葉掛けも、自分に対しても、他人に対してもとっても有効。根拠なんかいらないんだよね。根拠なき自信ほど強いものないと思うわ。

A：そだね～。なるようになる。ならぬものはならぬ。人間万事塞翁が馬やね。

B：あと、長くなるからもう省くけど、不安障がいやうつについても、この本では、述べられているんだ。

かいつまむと、薬だけではく、何かを学ぶことで脳は変化するし、不安障がいの症状について理解すれば、それらを恐れる気持ちは減る。

それには各種セラピーも役に立つようだよ。　

また、肉体的なトレーニングは、新たな神経細胞の形成につながるから、とりわけ、持久力トレーニングにより脳内でストレス減少物質が分泌されるようになるって話だよ。　　

定期的な運動は、不安障がいやうつ病を防いだり、すでに発症した場合でも運動で克服できるらしいんだ。

C：分かっていたことだけど、運動って大事だね。

🌕ストレスを溜めすぎて、にっちもさっちもいかなくなったら、カウンセリングにいくのも全然ありでは？