『コミュニケーションを阻む12の障害』
トマス・ゴードン博士(アメリカの臨床心理学者)が1962年に考案した親業の中で提唱した考え方から。
 
相手にとってよかれと思って言った言葉が、次のような言い方をしてしまうと、やがて相手からコミュニケーションを求められなくなってしまう残念な関わり方について。
 
家族や社会における他者との関わり方で、心の片隅に置いておきたいなと思うこと。
 
次のような表現は、コミュニケーションを阻むおそれがありますのでご紹介します。
(ただし、人間関係がしっかりできていたり、文脈によっては全く問題ないケースもあると思われます。)
 
例えば、子供が『学校に行きたくない。』と言っている場合の親の働きかけについて。
 
①「だめです。学校に行きなさい。」
何かをするように(しないように)指示する。(命令・指示)

②「学校に行かないと取り残されるよ。」
「わがまま言う子はお父さんに言いつけるよ。」
あることをすれば、どんな結果になるかを言う。(注意・脅迫)

③「学校は勉強が義務だ。だから学校に行かねばならない。」
「学校に行けることを有り難く思いなさい。」
何をすべきかを言う。(訓戒・説教)

④「今日休むと、明日はもっと嫌になるよ。」
「先生に相談すればいいんじゃないか。」
どうしたら問題を解決できるか助言や提案を与える。(忠告・提案)

⑤「私なら、何があっても絶対学校は休まないけどな。」
「学校に行けば、きっとえらくなれるよ。」
事実、情報、論理、自分自身の意見などで相手の判断に影響を与える。(講義)

⑥「考えが甘い。」
「また駄々をこねて私を困らせる気か。」
 相手の判断に対し、否定的判断や評価を下す。(批判・非難)

⑦「あなたは間違えていない。」
「そうね、じゃあ休むか。」
 相手の判断に対し、肯定的判断や評価を下す。(賞賛・同意)

⑧「あなたはダメな子ね。」
「本当にいくじなしだな。」
 相手の存在価値を値引きするような評価をする。(侮辱)

⑨「分かった。○○があるから面倒だから嫌なんでしょう。」
「あなたにも非があると思うけど。」
 相手の判断に対し、相手自身の動機を解説する。相手の言動に対して分析し、気持ちが分かっていること、相手の診断を済ませたことを伝える。(分析・判断)

⑩「あなたなら大丈夫。元気を出して。」
「かわいそうに。あなたは悪くない。」
 相手の気持ちを良くしようとする。今の気持ちから抜け出させようとする。(激励・同情)

⑪「誰かに何かを言われたのか。」
「勉強が難しいのか。」
 原因、動機、理由を知ろうとする。自分が問題を解決するのに役立つ情報を相手から得ようとする。(質問・尋問)

⑫「学校から帰ったら、おいしいケーキ食べようね。」
「時間がないから、早く支度しよう。」
 問題から相手をそらそうとする。相手の注意を他にそらす。冗談にまぎらす。自分自身の問題から逃げる。(ごまかし・中止)
 
 
⭐️「じゃあ、どう言ったらいいの。」モヤモヤした問題提起になってしまったかもしれません。

でも、自分の常々の行動にいくつ当てはまっているか数えるだけでも、面白くないですか?

個々の答えには触れていません。何故なら答えなんて多分ないから。
(『藹然接人』の心ぐらいしか浮かびません。未だ勉強中なので、すみませんとしか言えません。)
 
🌕「自分は自分。他人は他人。」でしょ?😉
2020/3/31